ことのは採集

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グールド『ダーウィン以来』その2

こんにちは、真音とろっぽです。

今度、授業で「進化論 vs 創造科学」の話をするので、次の本読んでました。ようやく今日読み終わりました!(今年32冊目)

[★★★・・]スティーヴン・ジェイ・グールド著、浦本昌紀、寺田鴻訳『ダーウィン以来 進化論への招待』ハヤカワ・ノンフィクション文庫、早川書房、1995年

ダーウィン以来―進化論への招待 (ハヤカワ文庫NF)

ダーウィン以来―進化論への招待 (ハヤカワ文庫NF)

  • 作者: スティーヴン・ジェイグールド,Stephen Jay Gould,浦本昌紀,寺田鴻
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 文庫
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著者は古生物学者・サイエンスライターとして活躍したスティーヴン・ジェイ・グールド。この本はエッセイ集で、割と短い(10ページくらい)進化論・古生物学・地質学・科学論などのお話がたくさん入っています。

この本の初めの方のエッセイを以前紹介したので、今度は後ろの方から。

 

ジブリの映画に『借りぐらしのアリエッティ』ってありますよね。15cmくらいの小人が家の地下に住んでるお話です。映画ではこの小人の生活描写が面白いのですが、それを連想させることをグールドが書いていました。

F・W・ウェントはおもしろい挑発的な論文の中で〔F. W. Went, 1968〕、われわれが知っているような人間生活はアリ程度の大きさでは不可能だということを明らかにした〔……〕。一つの物体が大きくなるにつれて、表面積にくらべて重量が非常な早さで増加するので、小さな動物ほど体積に比して表面積の割合が非常に大きい。彼らは表面力が支配する世界に住んでいるが、その力はわれわれにはほとんど何の影響もおよぼさない〔292-3頁〕

映画のアリエッティたちはアリよりは大きいですが、ある程度同じ問題が生じます。私たち人間の10分の1の大きさだからといって、そのまま縮小したサイズで暮らしていけるわけでもないのです。

 アリの大きさをした男が服を着たら、表面付着力のためにそれを脱げないだろう。水滴の大きさには下限があるからシャワーを浴びるのは不可能だろう。一つ一つの水滴は大きな丸石のような勢いで襲いかかるだろう。たとえこの小さな人間が何とかして体を濡らすことができて、さてタオルで体をふこうとしても、一生涯タオルにへばりついていることになるだろう。〔293頁〕

アリエッティにとって、重力よりも表面付着力の方が相対的に大きいので、人間と同じ暮らしは不可能そうです。まあ、アリよりは大きいから何とかなるかもしれませんが……。