ことのは採集

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グールド『ダーウィン以来』

こんにちは、真音とろっぽです。

宗教学の本ばかり紹介するのもつまらないので、今日は進化論の本です。

スティーヴン・ジェイ・グールド著、浦本昌紀、寺田鴻訳『ダーウィン以来 進化論への招待』ハヤカワ文庫NF、早川書房、1995年

ダーウィン以来―進化論への招待 (ハヤカワ文庫NF)

ダーウィン以来―進化論への招待 (ハヤカワ文庫NF)

  • 作者: スティーヴン・ジェイグールド,Stephen Jay Gould,浦本昌紀,寺田鴻
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 文庫
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とは言っても、実は進化論も宗教学に関係しているんです。

意外に思われるかもしれませんが、アメリカ合衆国の保守的なキリスト教徒の多くは、宗教的理由から進化論を認めていません。「あらゆる生命は、神に、初めから現在あるとおりに創造された」と信じているからです。

進化論、とりわけダーウィニズムは毛嫌いされているのですが、それももっともなところがあります。この本には、ダーウィンが反響を恐れて隠していた、進化論の背後にある仮定のことが記されています。

これらのノートには、進化それ自体よりもはるかに異端的であると彼が感じたあるものについて、それを彼は信じながらも信じていることを人に知られることを恐れていた、ということを示す多くの記述が含まれている。そのあるものとは、哲学としての唯物論であり、物質があらゆる存在の素材であって、すべての心的・精神的現象は物質の副産物であるという仮定である〔30頁〕。 

唯物論は、いわゆる「目に見えないもの」を否定し、すべての存在を物質に還元してしまうため「結果的に無神論を招来する」(岩波キリスト教辞典「唯物論」)とされます。

目に見えない神が存在し、人類に魂を吹き込んでくれた、と信じるキリスト教とは正反対の世界観ということになりますね。

 

中には、進化論を受け入れるクリスチャン生物学者もいます。ただ、そういう人たちは、どこかで「神の導き」も信じているので、ダーウィニズムを額面通りに受け取っているわけではないでしょう。